人通りが少ない場所を選んだおかげで、人目を気にせず存分に騒ぐことができる。
ある意味それが裏目に出てしまっている気もするが、楽しいに越したことはないと誰もが心の片隅で思っていた。
「馬鹿だろ! 平助、お前馬鹿だろ!」
「本当! いやあ、最高! 腹痛い!」
沖田と原田は、容赦なく腹を抱えて過呼吸になりながらも爆笑を続ける。
頬に立派な紅葉を抱えた藤堂は、近藤の手を振り払って原田に飛び掛かった。
「お前らは笑い過ぎなんだよ!」
「お、おい! なんで俺だけなんだよ! 総司だって笑ってんじゃねぇか!」
「いや、俺を巻き込まないでください」
「てめぇ、それは無理があるだろうがあああ!」
取っ組み合いの喧嘩が始まった二人は輪から飛び出し、永倉がそんな二人を止めるために席を立った。
未だ唇を尖らせて不機嫌を体現する雪の隣に、盃を片手にした沖田が座る。
沖田はつんつんと雪の肩を突き、無理矢理顔を向き合わせた。
「随分と着飾ってるじゃん。そんなに今日が楽しみだった?」
「え、あ、あー。た、楽しみだったと言えば……楽しみだった、かも」
「ぷっ、あははは」
「な、なんで笑うの!?」
「だって、別に恥ずかしがるようなことでもないだろ。怒ったり恥ずかしがったり、忙しいなぁって」
いつまで経っても、沖田の笑いのツボが分からない。
変わらず肩を震わせながら必死に笑いを堪える沖田を見て、雪の羞恥心は勢いを増した。
「やっぱり、普段の格好で来ればよかった」
「えー、なんでさ。似合ってるのに、可愛いよ?」
「ちょっと黙ってて!」
ぽかぽかと肩を殴っても、沖田の表情は変わるどころか余計に笑顔になる。
力の差を見せつけられ、なおかつ弄ばれているのが気に入らない。
雪は一発大きく手を振り翳すと、一瞬にして笑みを消した沖田に制される。
「前はリスみたいだっけど、今は子犬みたいだ」
「────……っ! 総司君も馬鹿!」
「わー、ひっどーい。総司君は悲しいなぁ」
「井上さぁん………」
誰よりも腹黒で、誰よりも挑発的な沖田に勝るものなどなにもない。
これ以上続ければ、惨めな思いをするだけだと察した雪は井上と山南に泣きつく。
こういう時に頼りになるのは、近藤でも土方でもなく、彼らだったのだ。
ある意味それが裏目に出てしまっている気もするが、楽しいに越したことはないと誰もが心の片隅で思っていた。
「馬鹿だろ! 平助、お前馬鹿だろ!」
「本当! いやあ、最高! 腹痛い!」
沖田と原田は、容赦なく腹を抱えて過呼吸になりながらも爆笑を続ける。
頬に立派な紅葉を抱えた藤堂は、近藤の手を振り払って原田に飛び掛かった。
「お前らは笑い過ぎなんだよ!」
「お、おい! なんで俺だけなんだよ! 総司だって笑ってんじゃねぇか!」
「いや、俺を巻き込まないでください」
「てめぇ、それは無理があるだろうがあああ!」
取っ組み合いの喧嘩が始まった二人は輪から飛び出し、永倉がそんな二人を止めるために席を立った。
未だ唇を尖らせて不機嫌を体現する雪の隣に、盃を片手にした沖田が座る。
沖田はつんつんと雪の肩を突き、無理矢理顔を向き合わせた。
「随分と着飾ってるじゃん。そんなに今日が楽しみだった?」
「え、あ、あー。た、楽しみだったと言えば……楽しみだった、かも」
「ぷっ、あははは」
「な、なんで笑うの!?」
「だって、別に恥ずかしがるようなことでもないだろ。怒ったり恥ずかしがったり、忙しいなぁって」
いつまで経っても、沖田の笑いのツボが分からない。
変わらず肩を震わせながら必死に笑いを堪える沖田を見て、雪の羞恥心は勢いを増した。
「やっぱり、普段の格好で来ればよかった」
「えー、なんでさ。似合ってるのに、可愛いよ?」
「ちょっと黙ってて!」
ぽかぽかと肩を殴っても、沖田の表情は変わるどころか余計に笑顔になる。
力の差を見せつけられ、なおかつ弄ばれているのが気に入らない。
雪は一発大きく手を振り翳すと、一瞬にして笑みを消した沖田に制される。
「前はリスみたいだっけど、今は子犬みたいだ」
「────……っ! 総司君も馬鹿!」
「わー、ひっどーい。総司君は悲しいなぁ」
「井上さぁん………」
誰よりも腹黒で、誰よりも挑発的な沖田に勝るものなどなにもない。
これ以上続ければ、惨めな思いをするだけだと察した雪は井上と山南に泣きつく。
こういう時に頼りになるのは、近藤でも土方でもなく、彼らだったのだ。



