膝上まで生い茂った草を掻き分けながら庭の中を進むと、突然視界が開けた。
「うわぁ、すっご……これって、蔵?」
先ほどちらりと見えた建物は、見上げても足りないほどに大きな蔵であったのだ。
所々崩れ落ちた壁には無数の蔦が纏わり付き、いかにも年季の入っている不気味な蔵が目の前にある。
まさか祖父母の家にこんなにも大きな蔵があるなど思うはずもない。
祖父母はこの蔵の存在を知っているのだろうか。見ている限り手入れなどされていないようであるから、日頃から気にも留められていないことが伺える。
(こんなのが家になるなんて。どうして今まで気づかなかったんだろう)
これまでにも何度か祖父母の家に帰省して、庭で祖母と遊んだことだってあるはずなのに今までこの蔵の存在を知らずにいた。
それがどうして今になって気づいたのか考えてみれば見るほど不自然である。
「でも、こんなの見ちゃったら……気になる」
人間とは好奇心旺盛な生き物。日頃から周りに関心を向けずに過ごしてきたとしても、一時の好奇心を感じてしまえば抗えないというものだ。
勝手な行動を取れば叱られてしまうのは承知の上で、誘われるように蔵の前まで歩みを進める。
木製の扉は重厚な雰囲気を醸し出しており、見るからに開かずの扉と言った風貌だ。
試しに扉の小さな突起部分を掴み、力を込めてスライドしてみるが案の定ビクとも動かない。
壁に足を掛けて全力を賭して引くと、ガガガという鈍い音を立てながら人がひとり入れるか入れないかの隙間が開く。それ以上は体力の限界で開けることはできなかった。
「お、お邪魔しまーす……」
躊躇いつつも中に入る。中に入るとすぐさま鋭いカビの匂いが鼻腔を指した。
長年開かずの蔵であったようだから中は埃っぽく、本当に誰かが使っていたのか怪しいほどに酷い有様だ。
時代劇でしか見たことのない束ねた髪を紐で綴じた書物、巻物に掛け軸、甲冑に骨董品などやけに時代を感じさせる物が辺りに散乱していた。
外からの光が届かない蔵の中は夜の町中よりも暗い。慎重に歩みを進めてみるが、あちらこちらで散乱している物に躓き物音が鳴り止まなかった。
「あっ……」
しばらく広い蔵の中を進んでいると、不自然に外からの光が差し込んでいる場所が目に入った。
目を凝らしてみれば、光の下には何やら直方体の箱らしきものが置かれている。
(気になる、すんごく気になる)
蔵を見つけたときとは比にならないほどの好奇心が強く押し寄せる。
埃を吸い込まないようにと手で口元を覆っていたことも忘れ、気が付けば無我夢中になって走りその箱の前に座り込んでいた。
「うわぁ、すっご……これって、蔵?」
先ほどちらりと見えた建物は、見上げても足りないほどに大きな蔵であったのだ。
所々崩れ落ちた壁には無数の蔦が纏わり付き、いかにも年季の入っている不気味な蔵が目の前にある。
まさか祖父母の家にこんなにも大きな蔵があるなど思うはずもない。
祖父母はこの蔵の存在を知っているのだろうか。見ている限り手入れなどされていないようであるから、日頃から気にも留められていないことが伺える。
(こんなのが家になるなんて。どうして今まで気づかなかったんだろう)
これまでにも何度か祖父母の家に帰省して、庭で祖母と遊んだことだってあるはずなのに今までこの蔵の存在を知らずにいた。
それがどうして今になって気づいたのか考えてみれば見るほど不自然である。
「でも、こんなの見ちゃったら……気になる」
人間とは好奇心旺盛な生き物。日頃から周りに関心を向けずに過ごしてきたとしても、一時の好奇心を感じてしまえば抗えないというものだ。
勝手な行動を取れば叱られてしまうのは承知の上で、誘われるように蔵の前まで歩みを進める。
木製の扉は重厚な雰囲気を醸し出しており、見るからに開かずの扉と言った風貌だ。
試しに扉の小さな突起部分を掴み、力を込めてスライドしてみるが案の定ビクとも動かない。
壁に足を掛けて全力を賭して引くと、ガガガという鈍い音を立てながら人がひとり入れるか入れないかの隙間が開く。それ以上は体力の限界で開けることはできなかった。
「お、お邪魔しまーす……」
躊躇いつつも中に入る。中に入るとすぐさま鋭いカビの匂いが鼻腔を指した。
長年開かずの蔵であったようだから中は埃っぽく、本当に誰かが使っていたのか怪しいほどに酷い有様だ。
時代劇でしか見たことのない束ねた髪を紐で綴じた書物、巻物に掛け軸、甲冑に骨董品などやけに時代を感じさせる物が辺りに散乱していた。
外からの光が届かない蔵の中は夜の町中よりも暗い。慎重に歩みを進めてみるが、あちらこちらで散乱している物に躓き物音が鳴り止まなかった。
「あっ……」
しばらく広い蔵の中を進んでいると、不自然に外からの光が差し込んでいる場所が目に入った。
目を凝らしてみれば、光の下には何やら直方体の箱らしきものが置かれている。
(気になる、すんごく気になる)
蔵を見つけたときとは比にならないほどの好奇心が強く押し寄せる。
埃を吸い込まないようにと手で口元を覆っていたことも忘れ、気が付けば無我夢中になって走りその箱の前に座り込んでいた。



