根暗な貴方は私の光

 貴方が哀れに見えたから、私は貴方の向かいに座った。あの時の私はそう思い込んでいた。
 けれど、私が貴方に話しかけたのは、一人でいる貴方が哀れに見えたからではなかった。

 似ていると思ったの。何もかもを捨てて自分から独りになった私と、端の席で気配を消している貴方が。
 
 ただ、目の前にある当たり前の日常に幸せを感じて、静かに噛み締めていたいだけだったの。

 誰かが貴方の目を死んだ魚の眼だと言った。でも、私には曇りのない真っ直ぐな瞳に見えていた。
 貴方のその目に見つめられる度、私の心はただ喜びに満たされたの。

 叶うならば、ずっと貴方の隣りにいたかった。
 叶うならば、貴方の名前をもっと呼びたかった。
 叶うならば、貴方に私の名前をもっと呼んでほしかった。

 ねえ、清弘。

 貴方の好きなものは何?
 貴方の苦手なものは何?
 貴方はいつも何をして過ごしていたの?
 私の知らないところで貴方は何をしてきたの?

 もっと貴方のことを知りたかった。もっと貴方の口から色々な話を聞きたかった。


 ねえ、清弘。


 好きよ。大好きよ。


 愛してる。ずっと愛してる。


 貴方は私の光だった。根暗でも貴方の中には確かな光があって、私を照らしてくれていた。
 貴方は私の光。
 貴方は私の道標。

 どうか、貴方の征く場所への道標が私でありますように。