それから一時間ほどたった頃。写真館の扉に付いている鐘が揺れ音を立てた。
「遅かったね、蕗ちゃん」
扉を開けて入ってきたのは蕗を呼びに行っていた仁武とその本人である。
入口に突っ立って呆けた表情を浮かべる蕗の元へ駆け寄った和加代は柔らかく微笑んだ。
蕗は突然のことに目を白黒させている。辺りを見渡してまた呆けた表情を浮かべた。
「あれ、忘れちゃったの? 今日は仁武くんの誕生日だよ」
和加代にそう告げられた蕗は、豆鉄砲を食らった鳩のように目を見開いた。
そしてもう一度回りにいる紬達を見た蕗は、はっと何かを思い出したように口を開く。
蕗も来たことで皆の意識は誕生日会へと向けられる。紬達は和気藹々と何気ない世間話などの様々な話に花を咲かせた。
仁武は誕生日会の様子の写真、蕗と和加代を二人で写した写真など様々な写真を撮って回る。
写真機の使い方を教わった紬が軍人である四人の写真を撮った。何枚もの写真を取り、仁武はおそらく最後になる誕生日会を楽しんだ。この顔ぶれで誕生日を迎えられるのは今日が最後になるだろう。
紬は楽しげに笑う仁武達を見て微かな寂しさを覚えた。
しかし、今日は仁武の誕生日なのだから寂しさなど見せるわけにはいかない。
和加代に呼ばれて彼らの向かいの席に座れば、何気ない雑談に混ざった。
「遅かったね、蕗ちゃん」
扉を開けて入ってきたのは蕗を呼びに行っていた仁武とその本人である。
入口に突っ立って呆けた表情を浮かべる蕗の元へ駆け寄った和加代は柔らかく微笑んだ。
蕗は突然のことに目を白黒させている。辺りを見渡してまた呆けた表情を浮かべた。
「あれ、忘れちゃったの? 今日は仁武くんの誕生日だよ」
和加代にそう告げられた蕗は、豆鉄砲を食らった鳩のように目を見開いた。
そしてもう一度回りにいる紬達を見た蕗は、はっと何かを思い出したように口を開く。
蕗も来たことで皆の意識は誕生日会へと向けられる。紬達は和気藹々と何気ない世間話などの様々な話に花を咲かせた。
仁武は誕生日会の様子の写真、蕗と和加代を二人で写した写真など様々な写真を撮って回る。
写真機の使い方を教わった紬が軍人である四人の写真を撮った。何枚もの写真を取り、仁武はおそらく最後になる誕生日会を楽しんだ。この顔ぶれで誕生日を迎えられるのは今日が最後になるだろう。
紬は楽しげに笑う仁武達を見て微かな寂しさを覚えた。
しかし、今日は仁武の誕生日なのだから寂しさなど見せるわけにはいかない。
和加代に呼ばれて彼らの向かいの席に座れば、何気ない雑談に混ざった。



