ようこそゲストさん
「橋田ー!!」
恒例行事と化した『橋田紗奈探し』
「先生、俺が探してきます」
「里村悪いな、幼なじみの絆で探してくれ!」
先生にそう言われ、紗奈を探す。
この2ヶ月ほど、時々行方不明となる。
ま、どこにいるのかはわかるけど。
ガチャ
「……紗奈?」
屋上のドアを開け、大の字になって寝ている紗奈に話しかける。
「寝顔、可愛いな…」
見つける度に、こうやって呟くがまったく起きない。
「……俺のになればいいのに。」
あの時告白しておけば、何回そう後悔したことか。
しかも何でよりによって、俺の親友なんだよ。
「…日向、好き」
「……!?」
紗奈がぽつりと呟く。
なんで俺の名前…。
俺が紗奈の夢に出てきてるのか…?
「っ……」
嬉しさなのか虚しさなのか、涙があふれでてくる。
「…好きだ」
「俺のモノになればいいのに」
「ごめん、今だけだから…」
そう言って紗奈の髪にキスをした。