古城の姫君

 勝負がつきました。
 
 勝ったのはクロークス、負けたのはスウォードでした。

 スウォードは、自分の負けを悟りました。

「殺すのならひと思いにやれ!」

 と、クロークスに向かって叫びました。
 しかし、クロークスはスウォードの首元に剣の切っ先を突きつけたまま、動こうとしません。
 お互いに微動だにせず、沈黙が流れました。

「なんで何もしない。情けでもかけようっていうのか?」
 
 殺されることを覚悟したスウォードがそう言うと、クロークスは突きつけていた剣を下げました。