3日後、トレニア国の軍勢を迎え撃つため、四人の魔法を使える女性とともに、クロークスがジンジャーと宮殿を出ようとしていました。

 しかし、戦争へ行くというのに、身につけているのは腰の剣だけです。

「クロークス」
 カンナは自分の中の不安を表情に出さないようにしながら、クロークスに声をかけました。
「生きて帰ってきてよ」

 クロークスは
「必ず戻ってくるから」
 と言って、馬にまたがりました。