始まりは、一通の手紙だった。 真っ白な封筒に、赤い蝋《ろう》の押し印。 その印章はこの地を治めるマクスウェル家のもの。 それを見た瞬間、キサラは眉を寄せた。 宛先を確かめて更に寄せる。 宛先は間違いなく自分。 でもマクスウェル家から手紙をいただく様な事など何も無い。