いざよいの月

恋愛(その他)

諏訪まこと/著
いざよいの月
作品番号
68674
最終更新
2008/03/08
総文字数
14,052
ページ数
40ページ
ステータス
未完結
PV数
712
いいね数
0
長くしなやかな指が、唇に触れる。
まるでその行為が合図のように、
美緒は静かに目を閉じる。

右か左か、前なのか後ろなのか。
変わらない、変えることの出来ない
己の立ち位置。
どこへも行くことの出来ない心の迷いを、
冷ややかな指先から悟られないように。
この体の震えを気づかれないように、
ゆっくりと目を閉じた。


瞼の向こうは、暗く……そして無音の世界。
その中にただひとつだけ、
己の迷いを象徴するかのように光る

十六夜の月。


この作品の感想ノート

この作品には、まだ投稿されていません。

この作品のひとこと感想

この作品には、まだ投票されていません。

この作品をシェア

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

pagetop