チェンジ・アクト!〜桁外れの演技力とメイクの力で別人潜入調査!?〜

その間際にこちらをもう一度振り返った。


「たまにまた劇団にも顔を出せ。今度は三島 咲也としてじゃなくて、沢井 優和として」


きっとそれは私を認めてくれたということだろう。

そのことが嬉しくてたまらない。

「はいっ!」

はっきりと返事をした私から、伊月さんがべルルを取り上げる。

「おい、帆高。聞こえるか」

『……ああ』

「俺はずっと組織を恨んでた。それにお前も。でも、お前が演技を信じていることも、仲間を大切にしていることも分かったからもう良いんだ」

伊月さんはどこか吹っ切れたような顔をしていた。

「……帆高、悪かった。組織を辞めてからずっと引っかかっていたこの気持ちを、情報をもらすことで晴らそうとするなんて馬鹿げてた」

『まぁ、お前は演技バカだからな』

「おい、うるさいぞ」

もう伊月さんと帆高くんの間に暗い雰囲気はなくて。

軽口を言い合いながらも、信頼が見える気がした。