チェンジ・アクト!〜桁外れの演技力とメイクの力で別人潜入調査!?〜

その瞬間に伊月さんが、片手を上げた。



「俺の負けで良い」



突然の言葉に、私はふっと演技を解いた。

伊月さんが言葉を続ける。

「俺の負けで良いって言ったんだ。まさかプロデューサーを入れずにステージ上の演技をするなんてな」

伊月さんがじっと私の目を見ている。

「正直、舞台がありきたりすぎる」

イスから立ち上がった伊月さんが、私の頭を優しくポンっと叩いた。

「……でも、感動した」

伊月さんはそのまま私に問いかけた。

「帆高はお前にとって良い仲間か?」

「はい」

「じゃあ、良い。情報はもらさない」

「えっ……!」

「お前は一応俺の劇団の一員だからな。劇団員の仲間を守るのも、団長の役目だ」

伊月さんが扉を開けて、出ていく。