チェンジ・アクト!〜桁外れの演技力とメイクの力で別人潜入調査!?〜

だから……


『ステージに立つ私は格好良いでしょう?』


ありきたりかもしれない。

でも、私が演じるのはステージで客席に向かって話すアイドル。


『この私を作ってくれたのはみんな、それにここに立つまで一緒に頑張ってくれた人たちです』


プロデューサーへの感謝は、はっきり言葉で伝えなくても良い。

それでも、伝わるものがある。



『ステージに立つ私は輝いていて、でも普段の私は本当はこんなにキラキラしていない。別人になりたい、って思う時もある』

『でも、私だからこそ見える景色がありました。それが今見ている景色です』



別人になりたい、私じゃない人になってしまいたい。

でも、私は私で。私で輝くしかない。

例え別人になれたって、本当の私が消えるわけじゃない。



『きっと全部含めて私なんだと思います』



別人になって、弱虫な自分を捨てたい。

別人の方がよっぽど良い。

弱虫な自分も、怖がりの自分も、人見知りな自分も、全部要らない。

でも、それは違うって気づけた。

弱虫で、怖がりで、人見知りだから、帆高くんに出会えた。

帆高くんと、助け合えるんだ。



『私は、私だからこそ出会えた人たちを大切にしたい』



帆高くんのメイクの力は必要で、私の演技力も必要。

もう私はうつむかない。

伊月さんと目を合わせて、微笑む。