チェンジ・アクト!〜桁外れの演技力とメイクの力で別人潜入調査!?〜

「越えられる、はずです」

「なんでそう思うの?」

「だって、伊月さんはもう私の演技が楽しみでしょう?」

「っ……!」

息を吸い込む。

演技の前に私はいつも深呼吸をする。

それには一つの理由がある。

息を吸い込んで、まるで自分の性格を吐き出すような気持ちになれるから。

そう、私はいつも別人になりたくて自分を吐き出していた。

でも、私を別人にすると笑った帆高くんは、いつだって本当の私を見ていた。

信じてくれていた。

別人になった私を見ても、帆高くんの目にはいつもの沢井 優和が映っていた。

でも、きっと私の全部を吐き出す必要はないんだと思う。

だって、今までの私の人生が、演技を彩ってくれることもある。

それに、私は気づけた。