チェンジ・アクト!〜桁外れの演技力とメイクの力で別人潜入調査!?〜

入団テストに合格して、一週間。

私は放課後に劇団に通うことが日課になり始めていた。


「三島、立ち位置が違う!」

「そこはもっと落ち着いた感じで!」

「ただ感情を込めれば良いってもんじゃない!」


伊月さんは帆高くんが言った通り演技に真剣で、厳しい人だった。

劇団に入って分かったことは、すべての劇団員を指導する役をしているのも伊月さんだった。

伊月さんは厳しいけれど、真面目で演技について誰よりも良く考えている。

そんな人がなんで突然組織の情報をもらそうと考えたのだろう。

もしかして、何か勘違いだったりしないだろうか。

しかし、そんな私の考えを否定するように、帆高くんから情報が入った。

『伊月が新しい動きを見せたらしい。そろそろ本格的に警戒した方が良い。今日の稽古後(けいこご)に、事務室にある伊月のパソコンを確認してほしい』

「分かった」

そう小声で帆高くんに返しながらも、目の前にいる伊月さんがそんなことをするようにも見えなくて。

心が渦を巻いたように混乱している。

ううん、とりあえず今は組織の任務に集中しないと!