やむを得ない事情があったにせよ、若い女を連れかえってきたということは、僧侶にふさわしい行いではない。
誰にも知られないように僧都は気をつけていらっしゃる。
尼君も女房たちに口止めしながら、
<もしこの人を探して誰かが来たらどうしよう。お返ししたくないが、やはりそんなわけにはいかないだろう>
と心配なさっている。
とにかく不思議なことが多い。
<どうしてあんな田舎に、これほど身分の高そうな人がひとりでいたのだろう。長谷寺へお参りに行く途中でご病気になったのを、意地悪な継母あたりが捨てていってしまったのだろうか>
尼君はそんな想像までなさる。
「川へ投げこんでください」と言ったあのときから、女は何も話していない。
ふつうの体調に戻してあげたいと世話なさるけれど、起き上がることもせず、ただぼんやりしている。
<これ以上生きられない人なのかもしれない>
と悲しくなるけれど、ここで見捨てるのもかわいそうで、「あなたは私の娘の生まれ変わりだ」という話をしたり、兄僧都の弟子にお祈りをさせたりなさる。
誰にも知られないように僧都は気をつけていらっしゃる。
尼君も女房たちに口止めしながら、
<もしこの人を探して誰かが来たらどうしよう。お返ししたくないが、やはりそんなわけにはいかないだろう>
と心配なさっている。
とにかく不思議なことが多い。
<どうしてあんな田舎に、これほど身分の高そうな人がひとりでいたのだろう。長谷寺へお参りに行く途中でご病気になったのを、意地悪な継母あたりが捨てていってしまったのだろうか>
尼君はそんな想像までなさる。
「川へ投げこんでください」と言ったあのときから、女は何も話していない。
ふつうの体調に戻してあげたいと世話なさるけれど、起き上がることもせず、ただぼんやりしている。
<これ以上生きられない人なのかもしれない>
と悲しくなるけれど、ここで見捨てるのもかわいそうで、「あなたは私の娘の生まれ変わりだ」という話をしたり、兄僧都の弟子にお祈りをさせたりなさる。



