野いちご源氏物語 五三 手習(てならい)

<さんざん人に迷惑(めいわく)をかけたのだから、もうひっそりと誰にも気づかれず一生を終えよう>
念願(ねんがん)出家(しゅっけ)をすると、浮舟(うきふね)(きみ)は少し気持ちが明るくなった。
尼君(あまぎみ)と冗談を言いあったり、囲碁(いご)で遊んだりして日々を過ごす。
尼としての修行(しゅぎょう)もしっかりしていて、難しいお(きょう)もたくさん読んでいる。
だけれど、雪が積もって、小野(おの)山里(やまざと)に人の出入りがなくなったころには、なんとなくまた気分がふさいだ。