朝になった。
あれほど反対していた女房たちに姿を見せると思うと、さすがに浮舟の君も気まずい。
短くなった髪の毛先が腰のあたりで揺れるのも落ち着かない。
不揃いな切り方を見ては、
<面倒なことを言わずに整えてくれる人がいたらよいのだけれど>
と、部屋を暗くして引きこもっている。
もともと自分の気持ちを言葉にするのが苦手な性格で、しかも今は気を許せる話し相手もいない。
ただ硯に向かって、思うことを紙に書いていく。
「自殺しようとしたときに自分の体も世間も捨てたつもりだけれど、出家してもう一度すべてを捨てたのだ。これで本当に俗世間とは無縁だ」
「自殺と出家で私は二度も世間を捨てたのだ」
あれほど反対していた女房たちに姿を見せると思うと、さすがに浮舟の君も気まずい。
短くなった髪の毛先が腰のあたりで揺れるのも落ち着かない。
不揃いな切り方を見ては、
<面倒なことを言わずに整えてくれる人がいたらよいのだけれど>
と、部屋を暗くして引きこもっている。
もともと自分の気持ちを言葉にするのが苦手な性格で、しかも今は気を許せる話し相手もいない。
ただ硯に向かって、思うことを紙に書いていく。
「自殺しようとしたときに自分の体も世間も捨てたつもりだけれど、出家してもう一度すべてを捨てたのだ。これで本当に俗世間とは無縁だ」
「自殺と出家で私は二度も世間を捨てたのだ」



