僧都の一行は都へ出発なさった。
ひっそりとした家に夜の風の音が響く。
「私どもはあなた様のご将来に期待していたのですよ。こんなところでお暮らしになる姫君ではない、きっと今に中将様の奥様として都にお戻りになるのだ、と。それなのに尼になどなってしまわれて、これからの長い人生をどうなさるおつもりですか。年老いた私どもにだって、世間と縁を切った出家生活は悲しいものですのに」
女房は責めたてるけれど、浮舟の君はただほっとしている。
<これで恋愛や結婚とは無関係になった。あぁ、うれしい>
これまでの苦しみがさわやかに消えたような気がする。
ひっそりとした家に夜の風の音が響く。
「私どもはあなた様のご将来に期待していたのですよ。こんなところでお暮らしになる姫君ではない、きっと今に中将様の奥様として都にお戻りになるのだ、と。それなのに尼になどなってしまわれて、これからの長い人生をどうなさるおつもりですか。年老いた私どもにだって、世間と縁を切った出家生活は悲しいものですのに」
女房は責めたてるけれど、浮舟の君はただほっとしている。
<これで恋愛や結婚とは無関係になった。あぁ、うれしい>
これまでの苦しみがさわやかに消えたような気がする。



