弁の尼から果物が届いた。
箱の蓋に、紅葉や蔦などを飾って美しく載せてある。
敷いた紙に何か書かれていた。
月が明るいので薫の君はお気づきになって、じっとご覧になる。
「お相手は変わってしまいましたが、昔のようにご滞在くださるのですね」
と、弁の尼が書いたみたい。
心変わりしたと弁の尼に思われたことが恥ずかしい一方で、大君を思い出すと薫の君はお悲しくもなる。
「この山里も私の心も寂しいままだが、隣にいる人だけが違う」
きちんとしたお返事ではなくただつぶやかれたのを、侍従は弁の尼に伝えた。
箱の蓋に、紅葉や蔦などを飾って美しく載せてある。
敷いた紙に何か書かれていた。
月が明るいので薫の君はお気づきになって、じっとご覧になる。
「お相手は変わってしまいましたが、昔のようにご滞在くださるのですね」
と、弁の尼が書いたみたい。
心変わりしたと弁の尼に思われたことが恥ずかしい一方で、大君を思い出すと薫の君はお悲しくもなる。
「この山里も私の心も寂しいままだが、隣にいる人だけが違う」
きちんとしたお返事ではなくただつぶやかれたのを、侍従は弁の尼に伝えた。



