無事に山荘に到着したものの、薫の君は気まずく思われる。
亡き大君の魂が、ご自分を見ていらっしゃるような気がなさるの。
<大君を忘れられないせいでこんなことをしているのだ>
お心のなかで言い訳しながら山荘にお入りになった。
浮舟の君は守夫人がどう思っているだろうと気になる。
<私が薫の君と乗り物で出ていったあと、乳母はすぐ母君にご連絡したはずだ。さぞ驚いて心配なさっているだろう>
つらくはあるけれど、薫の君が思いやり深く優しく話しかけなさるので、なんとか心を落ち着かせている。
弁の尼はおふたりとは一緒に降りず、離れたところに乗り物を寄せさせて建物に入った。
<正式な御殿でもないのに気を遣いすぎだ>
と薫の君はお思いになる。
薫の君がお越しと聞いて、いつものように近くのご領地からたくさん人がやって来た。
持参したお食事で歓迎する。
浮舟の君は別室で弁の尼に食事の世話をされながら、やっと一息ついた。
山道は大変だったけれど、この山荘は明るくて美しい。
川や山が美しく見えるように計算してつくられているの。
ここしばらく滅入っていた気分が、少し晴れたような感じがする。
その一方で、
<この先私をどうなさるおつもりだろうか>
と不安にもなる。
亡き大君の魂が、ご自分を見ていらっしゃるような気がなさるの。
<大君を忘れられないせいでこんなことをしているのだ>
お心のなかで言い訳しながら山荘にお入りになった。
浮舟の君は守夫人がどう思っているだろうと気になる。
<私が薫の君と乗り物で出ていったあと、乳母はすぐ母君にご連絡したはずだ。さぞ驚いて心配なさっているだろう>
つらくはあるけれど、薫の君が思いやり深く優しく話しかけなさるので、なんとか心を落ち着かせている。
弁の尼はおふたりとは一緒に降りず、離れたところに乗り物を寄せさせて建物に入った。
<正式な御殿でもないのに気を遣いすぎだ>
と薫の君はお思いになる。
薫の君がお越しと聞いて、いつものように近くのご領地からたくさん人がやって来た。
持参したお食事で歓迎する。
浮舟の君は別室で弁の尼に食事の世話をされながら、やっと一息ついた。
山道は大変だったけれど、この山荘は明るくて美しい。
川や山が美しく見えるように計算してつくられているの。
ここしばらく滅入っていた気分が、少し晴れたような感じがする。
その一方で、
<この先私をどうなさるおつもりだろうか>
と不安にもなる。



