「継娘だなどとは一言も申さなかったではないか。同じ家の娘といっても、継娘の婿では世間体が悪い。屋敷にも堂々と出入りできないだろう。よく調べもせず、適当な仲介をしてくれたな」
仲介役はあわてて言い訳をする。
「いえ、私も詳しくは存じなかったのです。私の妹があのお屋敷で女房をしておりまして、『奥様はこの姫様を一番大切になさっている』と申しましたから、まさか守の継娘とは思いませんでした。屋敷に実子以外の娘がいるかなど、そもそも尋ねもしなかったのです。
『美人で人柄もよい姫様だから、奥様はかわいがって、立派な結婚をさせたいとおっしゃっている』と妹から聞いておりましたところに、少将様があの家の娘と結婚したいとおっしゃいましたから、これはよいご縁だと仲介いたしました。けっして適当に仲介したわけではございません」
少将様はいつもの上品さをなくしておっしゃる。
「私のような身分の貴族が、地方長官の娘などと結婚するのは、本来みっともないことなのだ。近ごろはそういう結婚も増えて、経済力のある義父が世話をしてくれるなら、まぁそれもよかろうという世の中になってきている。しかし継娘の婿では世間の反応が違う。『売れ残りそうな継娘を引き受けてでも、地方長官ごときに世話してもらいたいのか』と馬鹿にされるに決まっている。
姉娘二人はすでに結婚しているのだろう。その婿たちは大きな顔をして出入りしているのだ。そこへ義父に冷たくされながら通って、何の得がある」
仲介役はあわてて言い訳をする。
「いえ、私も詳しくは存じなかったのです。私の妹があのお屋敷で女房をしておりまして、『奥様はこの姫様を一番大切になさっている』と申しましたから、まさか守の継娘とは思いませんでした。屋敷に実子以外の娘がいるかなど、そもそも尋ねもしなかったのです。
『美人で人柄もよい姫様だから、奥様はかわいがって、立派な結婚をさせたいとおっしゃっている』と妹から聞いておりましたところに、少将様があの家の娘と結婚したいとおっしゃいましたから、これはよいご縁だと仲介いたしました。けっして適当に仲介したわけではございません」
少将様はいつもの上品さをなくしておっしゃる。
「私のような身分の貴族が、地方長官の娘などと結婚するのは、本来みっともないことなのだ。近ごろはそういう結婚も増えて、経済力のある義父が世話をしてくれるなら、まぁそれもよかろうという世の中になってきている。しかし継娘の婿では世間の反応が違う。『売れ残りそうな継娘を引き受けてでも、地方長官ごときに世話してもらいたいのか』と馬鹿にされるに決まっている。
姉娘二人はすでに結婚しているのだろう。その婿たちは大きな顔をして出入りしているのだ。そこへ義父に冷たくされながら通って、何の得がある」



