浮舟の君がしばらく暮らすことになった家はつまらないところだった。
庭は雑草だらけでまだ整っていない。
花壇に花もない。
そこへ田舎くさい警備の男たちが出入りしている。
何の楽しみもなくて、浮舟の君は中君のことを恋しく思っている。
そこから匂宮様のことも思い出す。
<お優しそうにいろいろと何かおっしゃっていた。あれは何だったのだろう>
宮様のすばらしい香りが残っているような気がして、あらためてぞっとする。
守夫人からは長い手紙が届いた。
浮舟の君を心細いところに残して自宅に帰ったから、とても心配しているのね。
<母君はこんなに私を思ってくださっている。でも私は母君の自慢の娘にはなれそうにない>
手紙を読むと涙がこぼれる。
「退屈で居心地悪くお暮らしでしょうね。もうしばらく辛抱してちょうだい」
と手紙にあるので、浮舟の君は、
「退屈なのは問題ありません。むしろ気楽に暮らしています。ここは仏様の世界かもしれないと思うことにしました。面倒事が押し寄せてきませんもの」
と子どもっぽく返事を書いた。
それを読んで守夫人はほろほろと泣いてしまう。
<姫を見捨てるようなことをしてしまった>
と苦しい。
「さすがにあの世ではいけないけれど、そういう別世界ででも、あなたが幸せになってくれたらと思ってしまいます」
お互いに夢のようなことを言いあっている。
これが正直な気持ちなのでしょうね。
庭は雑草だらけでまだ整っていない。
花壇に花もない。
そこへ田舎くさい警備の男たちが出入りしている。
何の楽しみもなくて、浮舟の君は中君のことを恋しく思っている。
そこから匂宮様のことも思い出す。
<お優しそうにいろいろと何かおっしゃっていた。あれは何だったのだろう>
宮様のすばらしい香りが残っているような気がして、あらためてぞっとする。
守夫人からは長い手紙が届いた。
浮舟の君を心細いところに残して自宅に帰ったから、とても心配しているのね。
<母君はこんなに私を思ってくださっている。でも私は母君の自慢の娘にはなれそうにない>
手紙を読むと涙がこぼれる。
「退屈で居心地悪くお暮らしでしょうね。もうしばらく辛抱してちょうだい」
と手紙にあるので、浮舟の君は、
「退屈なのは問題ありません。むしろ気楽に暮らしています。ここは仏様の世界かもしれないと思うことにしました。面倒事が押し寄せてきませんもの」
と子どもっぽく返事を書いた。
それを読んで守夫人はほろほろと泣いてしまう。
<姫を見捨てるようなことをしてしまった>
と苦しい。
「さすがにあの世ではいけないけれど、そういう別世界ででも、あなたが幸せになってくれたらと思ってしまいます」
お互いに夢のようなことを言いあっている。
これが正直な気持ちなのでしょうね。



