<何か姫がよろこびそうなものを>
と、中君は物語の絵をお出しになった。
女房に文を読ませて、ご姉妹は向かいあって絵をご覧になる。
浮舟の君は美しい絵に心惹かれて、じっと見入っている。
その顔を中君はさりげなくお確かめになる。
欠点のない、非常に整ったお顔立ちよ。
額や目元は匂い立つように美しく、おっとりとした上品な雰囲気は、まさに大君にうりふたつ。
中君は絵よりも浮舟の君から目が離せなくていらっしゃる。
<なんということだ。こんなにも生き写しなことがあるだろうか。きっと亡き父宮様によく似ているからだろう。姉君は父親似で私は母親似だと老女房たちが言っていた。それでもこれほど似ているなんて>
涙ぐみながら異母妹君をご覧になる。
<姉君はこの上なく気高く上品でありながら、優しさや親しみやすさもおありだった。そして、こちらがはらはらするほど可憐でいらっしゃった。姉君に比べると、この姫にはぎこちないところがある。育った階級が違うせいで気後れしているのだろう。たっぷりとした優雅さはすぐに身につくものではない。その点ではまだ姉君に及ばないけれど、貴族らしい雰囲気を出せるようになれば、薫の君が恋人になさってもまったくおかしくない人だ>
妹を世話する姉君のお心でお考えになる。
と、中君は物語の絵をお出しになった。
女房に文を読ませて、ご姉妹は向かいあって絵をご覧になる。
浮舟の君は美しい絵に心惹かれて、じっと見入っている。
その顔を中君はさりげなくお確かめになる。
欠点のない、非常に整ったお顔立ちよ。
額や目元は匂い立つように美しく、おっとりとした上品な雰囲気は、まさに大君にうりふたつ。
中君は絵よりも浮舟の君から目が離せなくていらっしゃる。
<なんということだ。こんなにも生き写しなことがあるだろうか。きっと亡き父宮様によく似ているからだろう。姉君は父親似で私は母親似だと老女房たちが言っていた。それでもこれほど似ているなんて>
涙ぐみながら異母妹君をご覧になる。
<姉君はこの上なく気高く上品でありながら、優しさや親しみやすさもおありだった。そして、こちらがはらはらするほど可憐でいらっしゃった。姉君に比べると、この姫にはぎこちないところがある。育った階級が違うせいで気後れしているのだろう。たっぷりとした優雅さはすぐに身につくものではない。その点ではまだ姉君に及ばないけれど、貴族らしい雰囲気を出せるようになれば、薫の君が恋人になさってもまったくおかしくない人だ>
妹を世話する姉君のお心でお考えになる。



