浮舟の君は混乱しているし、中君の女房たちがどう思っているだろうと恥ずかしくもある。
でも、もともとおっとりしすぎなほどの性格だから、乳母にされるがままに座った。
前髪がひどく汗でぬれているのを隠すように、顔を背けている。
中君を見慣れた女房たちが見ても上品で美しい。
女房たちはひそひそと話す。
「宮様がこの姫君を知ってしまわれたら、面倒なことになるに決まっているわ」
「たしかにこのお美しさではね。これほどでなくても、新しく女房として上がったちょっとよさそうな人には必ずお手を出されるのだもの」
異母妹君を怖がらせないように、親しみやすい雰囲気で中君はお話をなさる。
「こちらでのお暮らしはどうかしら。ご自宅と同じようにくつろいでちょうだいね。姉君がお亡くなりになってずっと悲しかったのだけれど、姉君そっくりなあなたに出会って心が慰められているのよ。肉親をつぎつぎに失って孤独な私ですから、あなたが私を姉と思って慕ってくれたらうれしい」
浮舟の君は何とお返事したらよいかお分かりにならない。
田舎育ちということが引け目になって、よけいに言葉が出てこないの。
かろうじて、
「異母姉君は、私など手の届かない遥か彼方の方と思っておりました。こうしてお目にかかれて、これまでの苦労が報われるような気がいたします」
とだけ、少女らしい声で申し上げた。
でも、もともとおっとりしすぎなほどの性格だから、乳母にされるがままに座った。
前髪がひどく汗でぬれているのを隠すように、顔を背けている。
中君を見慣れた女房たちが見ても上品で美しい。
女房たちはひそひそと話す。
「宮様がこの姫君を知ってしまわれたら、面倒なことになるに決まっているわ」
「たしかにこのお美しさではね。これほどでなくても、新しく女房として上がったちょっとよさそうな人には必ずお手を出されるのだもの」
異母妹君を怖がらせないように、親しみやすい雰囲気で中君はお話をなさる。
「こちらでのお暮らしはどうかしら。ご自宅と同じようにくつろいでちょうだいね。姉君がお亡くなりになってずっと悲しかったのだけれど、姉君そっくりなあなたに出会って心が慰められているのよ。肉親をつぎつぎに失って孤独な私ですから、あなたが私を姉と思って慕ってくれたらうれしい」
浮舟の君は何とお返事したらよいかお分かりにならない。
田舎育ちということが引け目になって、よけいに言葉が出てこないの。
かろうじて、
「異母姉君は、私など手の届かない遥か彼方の方と思っておりました。こうしてお目にかかれて、これまでの苦労が報われるような気がいたします」
とだけ、少女らしい声で申し上げた。



