野いちご源氏物語 五〇 東屋(あずまや)

ご夫婦がご寝室に入ってしまわれたので、若君(わかぎみ)は若い女房(にょうぼう)乳母(めのと)があやしている。
機嫌(きげん)(うかが)いの貴族たちが何人も来ているけれど、(みや)様は面倒がってご寝室から出ていらっしゃらない。
そのうちお食事が運ばれてきた。
どこを見ても()(だか)いお暮らしぶりなの。

<私もできるかぎり暮らしを優雅に整えようとしてきたけれど、ここは別世界だ。姫を匂宮様のお隣に置いてみたらどうだろう。それほど()()()いでもないのではないか。夫がたいそうかわいがって、中宮(ちゅうぐう)にもしたいと思っている娘たちは、同じ我が子とはいえ姫とまったく違う。姫には特別な雰囲気があるのだ。やはり結婚相手は高望みした方がよいのでは>
興奮して一晩中考え続けている。