野いちご源氏物語 五〇 東屋(あずまや)

姫君(ひめぎみ)継父(ままちち)再婚(さいこん)で、男の子一人と女の子二人の連れ子がいた。
再婚後にも何人か生まれたから、母親は大忙しよ。
継父は自分の子どもは大切にするけれど、姫君だけは他人(あつか)いする。
母親はそれを(うら)んで、
<この姫には他の子と別格の結婚をさせたい>
と自分ひとりで熱心に世話をしていた。

姫君のお顔立ちが他の子と同じ程度なら、母親だってこれほど悩みはしない。
(はち)(みや)様の(とうと)いお血筋(ちすじ)がはっきり表れて、特別に美しく育ってしまったから、もったいなく心苦しく思っていたの。

娘が多い家だと聞いて、そこそこよい身分の貴族たちが交流を求めてくる。
継父の連れ子の娘はそれぞれ結婚させた。
<次は姫のご結婚だ。立派な婿君(むこぎみ)を選んであげよう>
母親は一日中姫君の世話をして、この上なく大切にしていた。