野いちご源氏物語 四六 椎本(しいがもと)

(かおる)(きみ)中納言(ちゅうなごん)昇進(しょうしん)なさった。
ますますお美しくご立派だけれど、お心のなかは悶々(もんもん)としていらっしゃる。
本当の父君(ちちぎみ)がどなたであったかや、その父君のお苦しみを知ってしまわれたことで、真実を知る前よりもお悩みは増していた。
<父君の(つみ)が軽くなるように、お(きょう)を読んで祈ってさしあげたい>
とお考えになる。
(べん)(きみ)のことも気の毒にお思いになって、さりげなく暮らしの援助(えんじょ)などをしておやりになる。