「今日、ハルくんのお家行く」
決定事項。
改札を抜けながら、私の前を歩く背中にそう伝える。
振り返って――
「無理」
一言。
なんでよ、ハルくん。私たち、仲直りしたじゃん。
さっきまで手も繋いでくれたのに。
電車の中では、ちゃんと隣に座ってくれたのに。
それなのに、家は「無理」。
「明日デートなのに、前日に他の男といるなんて気狂ってる」
「…チクチク言葉だよ、それ」
だって、ハルくんといるほうが好きだし、楽しいし、安心するし、落ち着くし。
我ながら最低。
でも、こんな女を好きになる柳くんもおかしい。
ハルくんに「無理」ってはっきり言われたけど、あとをついていく。
ガチャガチャ鍵をあけて、私も一緒に中に入る。
「……。」
ハルくんは振り返って、ため息。でも、追い出すことはしない。



