【完】ハルくんの、かくしごと。




笑おうとすればするほど、胸の奥が締め付けられる。

声は震えて、頬の筋肉もぎこちなくて、自分でも「嘘の笑顔」だってわかる。



「千秋。しっかりしなよ」



紗里衣ちゃんの一言に、心の奥がさらに揺さぶられて、涙が溢れだした。

紗里衣ちゃんは、そんな私を見て、そっとハンカチを差し出してくれる。

可愛い猫ちゃんが描かれたハンカチ。

その優しさに触れた瞬間、余計に涙が止まらなくなる。



なんで私、泣いてるんだろうね。

なんで、こんなに悲しいんだろう。



柳くんがいるのに、優しくしてくれるのに。

それでも、心の奥では――ハルくん。



冷たい目も、低い声も、優しい背中も。


放っておかないでほしいと願ってしまう。