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放課後。
ハルくんを迎えに行こうと、ルンルンで教室を出た瞬間。
「櫻井」
目の前に柳くん。
「一緒に帰ろ」
満面の笑み。
「柳くん、私ハルくんと――」
“ハルくんと帰るんだ”そう言いかけたとき。
「誰?」
背後から現れたハルくんが、柳くんをゴミでも見るような目で睨んでいた。
ハルくん、その目はさすがにやめようね?
「あ、えっとこちらは――」
「櫻井の彼氏だよ」
またしても遮られる私の言葉。柳くんはハルくんを睨み返す。
「彼氏?」
さっきまで柳くんをゴミみたいに見ていたハルくんの目が、今度は私に向けられる。
「は、ハルくん……」
その視線に射抜かれて、声が震える。
「お前、いい加減にしろよ」
昼、紗里衣ちゃんにも言われた言葉。
でも、ハルくんに言われると――胸のあたりがズキッと痛む。
柳くんの存在が一瞬かすんで、目の前にはハルくんだけが残る。
その目に見つめられていると、逃げ場がない。



