【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。




「隣の家なのに、送ってくれるなんてやっぱり優しいね」



ローファーを履きながらそう言うと、ハルくんはげんなりした顔。

あれ?さっきの笑顔、どこいったの?



「俺いなくていいなら、部屋戻るけど」



くるっと方向転換するハルくんの制服のシャツを、慌てて引っ張る。



「だめだめ!」



待ってよ、ハルくん! ハルくんがいないと、私ひとりで過ごすことになっちゃう。怖いんだよ。



「ハルくん、お願いっ!」



せめて、お家までは送ってよ。 隣だけど。ほんの数歩だけど。





結局、ハルくんは隣の私のお家まで送ってくれた。


やっぱり優しい。だから、もう一つだけ頼みごとを。



「ハルくん…怖いから、お風呂一緒に入ろ…?」



玄関で言うことじゃないって分かってる。でも、口から出ちゃった。



「………それは無理」



ガーン。

誰?ホラー映画見ようって言い始めたの。



「今日ね、お母さんもお父さんも帰ってくるの遅いの。会社の飲み会なんだって。だからね…」



もじもじしながら言う私を見て、ハルくんは疲れた顔をしながら靴を脱ぐ。