「隣の家なのに、送ってくれるなんてやっぱり優しいね」
ローファーを履きながらそう言うと、ハルくんはげんなりした顔。
あれ?さっきの笑顔、どこいったの?
「俺いなくていいなら、部屋戻るけど」
くるっと方向転換するハルくんの制服のシャツを、慌てて引っ張る。
「だめだめ!」
待ってよ、ハルくん! ハルくんがいないと、私ひとりで過ごすことになっちゃう。怖いんだよ。
「ハルくん、お願いっ!」
せめて、お家までは送ってよ。 隣だけど。ほんの数歩だけど。
結局、ハルくんは隣の私のお家まで送ってくれた。
やっぱり優しい。だから、もう一つだけ頼みごとを。
「ハルくん…怖いから、お風呂一緒に入ろ…?」
玄関で言うことじゃないって分かってる。でも、口から出ちゃった。
「………それは無理」
ガーン。
誰?ホラー映画見ようって言い始めたの。
「今日ね、お母さんもお父さんも帰ってくるの遅いの。会社の飲み会なんだって。だからね…」
もじもじしながら言う私を見て、ハルくんは疲れた顔をしながら靴を脱ぐ。



