【完】ハルくんの、かくしごと。




ハルくん、もしかしたら私のこと好きなのかも。私が思ってるよりずっと、私のこと好きでいてくれてるのかも。

最近は、そう思うことがよくあって一人で舞い上がったりしてた。


でも、今は、そんな自分がバカみたい。

ハルくん、私のことひとつも好きじゃなった。

だって、そうじゃないと、普通こんなこと言わない。



「ハルくんのバカ!私の気持ち知らないくせにっ…!」


「そんなの知らねーよ!いっつもフラフラしやがって、バカじゃねーの」



言葉がぶつかり合う。胸が痛くて、息が苦しい。

ねぇ、なんでそんなこと言えるの。

確かに、ハルくんの言う通りフラフラしてたことあったよ。いい加減にしろって、たくさん言われてきたよ。


でも、私、自分で気づく、ずっと前から―― ハルくんしか、見てないのに。



「…ハルくんなんか、ハルくんなんかっ…だいっき、」



“大っ嫌い”――そう言おうとした瞬間、手で止められた。

口を覆われていて、興奮してたのもあって息が苦しい。

イラっとしてハルくんを見上げると、傷ついた顔。



「…っ、」



その顔に、胸が締め付けられる。



「…お願い。それだけは、ちあに言われたくない」



震える声。必死に、私の言葉を止めようとする。

私、今、“大っ嫌い”って言おうとした。

そんなこと、微塵も思っていないのに。 大好きなのに。

ハルくんの死にそうなくらい傷ついた顔を見て、 私も傷つく。