【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。




「…荻原がいても、いなくても、これからは俺が迎えに行くよ」



そう言って、私の髪を耳にかけた。

ハルくんの表情が優しくて、その言葉がたまらなく嬉しくて、胸がぎゅっとなって痛い。
その顔、誰にも見せないで。

ハルくんが好きだと気づいてから、なにもかもがキラキラして見えて、それで少しだけ痛い。
泣きそうになるのをこらえて、きゅっと唇を噛んだ。



靴を履き替えていると――



「ちあ。マフラーないの今気づいた。教室戻るから、待ってて」



ドキドキ、ドキドキ。
今、一人になってよかったのかも。

胸の奥で渦巻いている「好き」を、どう伝えようか。
言葉にしたら、どんな顔をされるんだろう。怖いけど、でも、もう抑えられない。

廊下に残された時間が、告白の練習みたいに感じる。



「…好きだよ」



小さく口にしてみると、声は震えていた。