「ごめんね、そんなことがあったのに一人にさせて」
「…あのね。実は、毎日、ハルくんといたの」
チラッと紗里衣ちゃんの表情をうかがうようにそう言うと、さっきまで傷ついた顔をしてたのに、一気にパアッと明るくなった。
「そうなの!?」
「うん。しかも、前よりも距離が近くなったような…? 中学生の頃に戻ったみたいに、私がくっついても嫌がってなさそうで…」
「…それって、見込みあるんじゃない?」
「…そう思いたいんだけど。ハルくんから、私には一切触れてこないから…。 荻原くんのこともあったから、私に優しくしてくれてるだけなのかも…」
自分で言っといて、訳が分からなくなってくる。最近のハルくん、確実に私のことが好きなような行動してるはずなのに、いまいち確信が持てない。
「良いことを教えてあげよう、千秋」
「え?」
「千秋は、幼なじみのことが好きでも、気持ちを伝えたら幼なじみでいられなくなるかも。怖いって、思ってるでしょ?」
「う、うん」
「――あっちも、同じこと思ってるかもよ?」
紗里衣ちゃんの言葉に、ドクンと胸が跳ねる。そんなこと、ある?ハルくんが?
「確かに?最近のハルくん、私のこと好きなのかも?って思うけどさ…でもさ…」
「幼なじみのことになると、一気に自信なくなるのね」
だって…!もう何年も冷たかったから! その記憶が、どうしても心の奥で邪魔をする。
でも、今のハルくんは違う。優しくて、甘くて、私を特別扱いしてくれているように感じる。それでも――「好き」って言葉を信じ切れない自分がいる。



