ハルくんは、最近の私を見て、なんとも思わない?
必要以上にくっついてる自覚はあるんだけど。
私だけが、ドキドキしてる? やっぱり、勘違い?
ぎゅっと、強く右手を握ったら―― ぎゅって、私よりも力強く握り返してくれる。
胸が、苦しくて、切なくて、愛しくて。
目の前が、チカチカする。
「…ちあ」
低い声が、耳に落ちてくる。ただ名前を呼ばれただけなのに、涙が出そうになる。
勘違いじゃない。そう思いたくなるくらい、確かに伝わってくる温もり。
好きなの、気付いてほしい。 ちょっとは伝わってほしい、って。
そう思ってたけど―― …気づいてないのが私のほうだったとしたら。
でも、それと同時に、だったら、なんでハルくんは私に触れてこないの?って。 最近好きになってくれたなら、冷たくしてた時期の説明はつく。 その時は、好きじゃなかったんだなって。
でも、今でもハルくんから触れてくることはない。だから、胸の奥でぐるぐる考えてしまう。
電車が学校の最寄り駅について、改札を出るまで、ずっと手を繋いだままだった。
でも、離れるときは一瞬で。寂しくなった左手を見て、この寂しいって気持ちも、私だけかも。ハルくんはそんなの思ってないかも、って。
でも、もし思ってくれてたら、うれしい。勘違いじゃないと、嬉しい。
ほんとは、ハルくんから触れてほしい。もっと、もっと。
欲張りになってる自分が、嫌で嫌で仕方ないのに。その苦しささえ、愛しく思えてきてしまう。



