「ちあ、今日一緒に帰る?」
俯いたままの私に、落ちてくる低い声。
顔が真っ赤になってるの、見られたくない。一緒に帰る?なんて、そんなことも、言われたの初めてだった。
「う、ん」
ドキドキして、声がうまく出せなくて震える。
最近のハルくんは、甘すぎる。私に対して。
ずっと前から、優しくて、わがままを聞いてくれて、甘やかしてくれてはいた。
でも、それは――こんなんじゃなかった気がする。
こんなにも、繋がれた手から、気持ちが伝わってくるなんて、知らなかった。
チラッと上を見ると、優しい目が私を見下ろして――
「ん?」って、低くて少し曇った声を出す。
その目も、声も、全然、違う。
前と一緒だなんて、思いたくない。
ハルくん、たぶん、私のことすき…?
ハルくんも、私のこと、好きでいてくれてる?
そう、勘違いしてしまいそうなほど。
最近のハルくんは、私に“好きな人にするような甘ったるさ”を感じさせる。



