ホームで電車を待っていると、私が言うよりも先に右手を出してきたハルくん。
「…っ、」
「繋がない?」
少し、首を傾けてそう聞いてくる。
「繋ぐ、に決まってる…けど」
「けど?」
あぁ、どうしよう。気持ちが、溢れそう。
ハルくんがいない満員電車は、ほんとはずっと苦痛で。慣れた、なんて嘘だった。
ぎゅっと右手を握りしめると、ちょうど電車がホームに着いた。ハルくんに引かれて、乗り込む満員電車。
発車しても、ずっと手は繋がれたまま。
「は、るくん」
「ん?」
頭の上に、ハルくんの息がかかる。ドキドキして、顔が見れない。
「手は、離さないの?」
「…離す?」
「…い、や」
離さないように、離れないように。ぎゅっと握る。
あったかい。すき。
電車の揺れに合わせて、繋いだ手が少し強くなる。そのたびに胸が跳ねて、息が詰まりそうになる。



