【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。




ホームで電車を待っていると、私が言うよりも先に右手を出してきたハルくん。



「…っ、」

「繋がない?」



少し、首を傾けてそう聞いてくる。



「繋ぐ、に決まってる…けど」

「けど?」



あぁ、どうしよう。気持ちが、溢れそう。
ハルくんがいない満員電車は、ほんとはずっと苦痛で。慣れた、なんて嘘だった。


ぎゅっと右手を握りしめると、ちょうど電車がホームに着いた。ハルくんに引かれて、乗り込む満員電車。
発車しても、ずっと手は繋がれたまま。



「は、るくん」

「ん?」



頭の上に、ハルくんの息がかかる。ドキドキして、顔が見れない。



「手は、離さないの?」

「…離す?」

「…い、や」



離さないように、離れないように。ぎゅっと握る。

あったかい。すき。

電車の揺れに合わせて、繋いだ手が少し強くなる。そのたびに胸が跳ねて、息が詰まりそうになる。