【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。




バレンタインとか、そもそも作る気ないし。あげたこともない。

でも、ハルくんは驚いた顔をして―― 「うまい」って言ってくれた。



「でしょ?やればできるんだから。褒めて!」

「凄いじゃん」



そのまま無言で食べ続けるハルくん。私はずっと、その横顔を見ていた。
「見んな」 って言われたけど。
さっきまでのかわいいハルくんは、どこへやら。でも、元気になってくれたなら、それでいいや。



食べ終わったあと、食器を洗おうとすると、「さすがに、そこまではいい」って止められた。

だから、ソファに並んでテレビを見ることに。

ハルくんにピトッとくっつく。押し返されるかなと思ったけど、全くそんな素振りはなくて。

だから、ついでにコテンと頭も肩に預けた。
すると――ハルくんのほうも私に寄りかかってきて。


なんで?どうして?
頭がぐるぐるして、落ち着かない。


好きと気づく前の私じゃ、考えられないくらいドキドキして。
そろそろ死ぬんじゃないかって思うくらい、幸せ。


ハルくんは熱出して辛かっただろうけど、私にとっては、すごく幸せな一日になってしまった。

帰るとき、家まで送ろうとしてきたから全力で拒否した。
そのときの、不服そうな顔。
――それにもまた、嬉しくなってしまった。