「それで、何しに来たんだよ」
ぶっきらぼうにそう言って、ソファに座り込むハルくん。距離が遠い。
「ホラー映画一緒に見ようって、この前約束したじゃん」
私がそう言うと、ハルくんはこっちを見て。
「げっ」
……なに、その反応。
まさか、忘れてたの? 3日前にした約束を?
「ハルくん、“はいはい”って返事してくれたっ!」
適当に返事したんだろうけど、私はちゃんと聞いてた。
立ち上がって、テレビの横にある縦長の棚へ。
新しく並べられているホラー映画のDVDを手に取る。
「これ!一緒に見たいって言ったら、いいよって言ってくれたもん…」
声に少し力を込める。
だって、約束したんだもん。
ハルくんがスマホゲームしてる最中。
画面に集中して、外の世界を完全にシャットダウンしてたけどね。
だからこそ、返事をもらえた。
そういうタイミングじゃないと、絶対に断られるもん。



