【完】ハルくんの、かくしごと。




かわいくて、ついにやけてしまったら―― 「なに、にやけてんだよ」って、ムスッとするハルくん。
…かわいい。



「鍵、開いてたけど、両親はハルくんの熱のこと知ってる?」

「…言わないでいいよ。今日で治すし」

「もう、だめだよ、そういうの」



普段は真面目なくせに、こういうときだけいらない優しさを出す。誰にも心配かけたくないって、そういうところ。でも、それが逆に心配でたまらない。



「ハルくん、飲み物とってくるね。冷蔵庫勝手に見るね。なかったら、買ってくるから」

「…いい、いい。なんもしないで」

「やだ」

「…飲み物もってくるだけにしてよ。作ったりは絶対しないで」

「…。」



疑われてる。これは、私が“おかゆも作れない人間”だと思われてるやつ。

こう言われると、逆に作りたくなってくる。でも、材料が何あるかわからないし、万が一病人のハルくんに変なもの食べさせたらいけない。だから、やめておく。一応ね。