【完】ハルくんの、かくしごと。




「…荻原くんとは、付き合ってないの。 ただ、私も、荻原くんも…恋愛が、いまいちよく分からなくて、 お互い、一緒にいたら好きになれるかもって…」



言葉を絞り出すたびに、視界が滲んでいく。



「一緒にいたら、楽しかったし、付き合ってはなかったけど… キ、スはしてて…」



こんなこと、好きな人に話したくなかった。でも、ほら。私、嘘つけないから。ハルくん相手だと、尚更。

大好きな、その目に見つめられたら―― 全部、知ってほしい。全部、分かってほしいって、思っちゃうの。
隠していたことも、言えなかったことも、心の奥にしまい込んでいた想いも、その瞳に映る自分を見たら、もう隠せなくなる。

それに、今日で終わりだし。最後くらい、全部伝えたい。嫌われてもいい。拒まれてもいい。


「…荻原くん、私を見てるとムカつくって言ってた。私を、襲ったらっ…大好きなハルくんはっ、助けにきてくれるか、試したいってっ…ハルくんは、私のこと、嫌いだからっ、来ないって、言ったのにっ…ぐって、肩おされて、痛くてっ…ほっぺもいた、くてっ…お、荻原くんのこと、好きになれなかったからっ、キスされて、怖くてっ…は、ハルくんに、助けてほしかったけどっ…もう、迷惑かけたくないしっ、これ、これ以上、嫌われたくないしっ…わ、たし…っ」