【完】ハルくんの、かくしごと。




「…うっ…っ…ぅ…」



ハルくんの背中が、私の涙で濡れていく。

好きだって、気付いてほしい。
私が、ハルくんを好きなこと――ばれてしまえばいいと思った。振られるとわかっているから、口にする勇気はない。 でも、少しだけでも伝わってほしい。

ハルくんは、私の手をとって、くるっと振り返った。
多分、拒まれる。
そう思った瞬間、心臓が痛くなる。

向き直ると、ハルくんは少ししゃがんで、眉を下げて優しい顔をした。



「…ちあの、わがままって、俺じゃないと叶えられない?」

「…、うんっ…」

「…じゃあ、もう、俺がいるしかないじゃん」



困ったように笑うハルくん。

その笑顔に、胸がぎゅっとなって、痛い。

ハルくんだけ。 ハルくんしか、いない。

すき。
どうしても。

また、涙がこぼれた私を見て、「中、入ろ」 そう言って、ハルくんは手を繋いでくれた。

その手の温もりが、冷たさを全部溶かしていく。

繋いだ手が、離れないように、強く握り返した。