【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。




階段をあがって、一番奥の一番広いお部屋。

スライド式のドアを開けると、すぐに広がるハルくんの匂い。

爽やかで、優しくて、シトラス。

多分、ベッドの横のサイドテーブルに置いてあるフレグランスのせい。

深めの茶色と黒で統一された部屋。

ものは少ないけど、シンプルでセンスがいい。

私、このお部屋が好き。

落ち着くし、安心する。ここに来ると、なんとなく呼吸が楽になる。



「お前、いい加減にしろ」



後ろからハルくんのどすの効いた声。

振り向くと、私より頭一個分以上高い背から見下ろされている。 鋭い目つき。



「お邪魔しまーす」



ほんとはお家に入る前に言う言葉。

わざとここで言って、ハルくんのお部屋に足を踏み入れる。