【2.26公開】ハルくんの、かくしごと。




冷たい態度には慣れてる。ため息も、睨まれるのも、もう日常。

でも、「離れろ」なんて言葉は、慣れてない。
まるで、私の居場所を否定されたみたいで。胸の奥が、じわっと重くなる。

私はずっとハルくんといるつもりだった。
それが当たり前だと思ってた。幼なじみだから、隣にいるのが当然だって。


――だめなの?


ハルくんは立ち止まっている私を置いて先に行ってしまう。

ハルくんはさ、私のこと何とも思ってないかもしれないけどさ。
私にとっては、どれだけ冷たくされても大事な大事な幼なじみなんだよ。


走ってハルくんに追いつく…というか、

ハルくんを通り越して、ハルくんよりも先にハルくんのお家の玄関へ。



「はぁっ…はぁっ…ハルくん、鍵あけて」



走ったせいで息が少し乱れている。
ハルくんはゆっくり歩いて近づいてくる。顔は、やっぱりうんざりしてる。

……私のこと、面倒くさいんだよね。分かってる。
でも、そういう顔を見るのももう慣れてる。

ハルくんはやっと追いついて、 スクバから鍵を取り出す。
無言で、ガチャガチャと鍵穴に差し込む。