冷たい態度には慣れてる。ため息も、睨まれるのも、もう日常。
でも、「離れろ」なんて言葉は、慣れてない。
まるで、私の居場所を否定されたみたいで。胸の奥が、じわっと重くなる。
私はずっとハルくんといるつもりだった。
それが当たり前だと思ってた。幼なじみだから、隣にいるのが当然だって。
――だめなの?
ハルくんは立ち止まっている私を置いて先に行ってしまう。
ハルくんはさ、私のこと何とも思ってないかもしれないけどさ。
私にとっては、どれだけ冷たくされても大事な大事な幼なじみなんだよ。
走ってハルくんに追いつく…というか、
ハルくんを通り越して、ハルくんよりも先にハルくんのお家の玄関へ。
「はぁっ…はぁっ…ハルくん、鍵あけて」
走ったせいで息が少し乱れている。
ハルくんはゆっくり歩いて近づいてくる。顔は、やっぱりうんざりしてる。
……私のこと、面倒くさいんだよね。分かってる。
でも、そういう顔を見るのももう慣れてる。
ハルくんはやっと追いついて、 スクバから鍵を取り出す。
無言で、ガチャガチャと鍵穴に差し込む。



