「幼なじみという関係に甘えすぎってこと」
「…ということは?」
「彼女じゃないんだから、千秋に対する幼なじみくんの態度は普通なんだよ」
紗里衣ちゃんは、そう言ってからひとつため息をついた。
――普通。
冷たい態度も、避けられてる感じも。 全部「普通」だって言われると、反論できなくなる。
でも、心のどこかで納得できない。
「千秋はもっと、自分の気持ちを考えた方がいいし、幼なじみくんはもっと素直になった方がいい」
紗里衣ちゃんは最後にそれだけ言って、漫画を読み始めた。ページをめくる音が、やけに静かに響く。
そろそろ、読み終わりそう。
私は紗里衣ちゃんの方をジーっと見つめながら、言われたことを頭の中で反芻する。
――自分の気持ちを考えた方がいいって?
そもそも、何の話? どの気持ち?
私がハルくんに対する気持ちってこと?



