「…当て馬キャラ、そっくり」
ほんとに、そっくり。
モテてきたけど、人を好きになったことがない。
でも、主人公に出会って初めて恋を知るタイプ。
「それ、悪口になるからね?」
ケラケラ笑ってる。漫画の当て馬キャラの子は、こんなに笑うタイプじゃなかった。
「でも、ヒロインを好きになるの。最後には、振られるけどね、きっと」
まだ最終巻までいってないから分かんないけど、大抵のストーリーの相場はそうって決まってる。
チャラチャラした見た目の男の子は選ばれない。
硬派でクールなイケメンが選ばれるの。しかも、今見てるのは幼なじみっていうチート。
「まだ最後まで分からないんでしょ?俺が勝つかもしれないじゃん」
一瞬の沈黙。
「あ、俺って言っちゃった」
「……へんなのー」
変。ほんとに、変。
でも、嫌いじゃない。
苦手って思ってたはずなのに、それもどこかいっちゃった。
アイスを咥える横顔を、少しだけ見つめる。
すると、目だけを動かして――まんまと目が合ってしまう。
多分、「なーに?」って言ってるんだと思う。
アイスを咥えたままだから、ほんとのところは分からないけど。



