【完】ハルくんの、かくしごと。




「…好きってなんなの?私には分かんないよ。 みんな、ハルくんのこと好きじゃないの?って聞いてくるけどさ。 恋って、日常がキラキラして見えたり、些細なことでキュンってしたり、 一緒にいるだけでドキドキするんじゃないの?私、ハルくんにそういうのないよ」



分かんない。

どれも、ハルくんには当てはまらない。

もちろん、キスされたときとかはドキドキした。初めてだったしね。

でも、手を繋いだり、ぎゅーしたり、抱っこされたり… 一緒に寝てもそんなこと思わないんだもん。

一緒にいるのがずっと当たり前で、 ハルくんとの日常はキラキラして見えるなんて、そんなことない。

隣にいると、安心して落ち着く。

それだけ。

これは、恋じゃないでしょ?



……でも、安心ってそんなに軽いものなのかな。

ドキドキよりも、キラキラよりも、ずっと深いところに根を張ってる感情なんじゃないのかな。

私には分からない。

分からないけど、ハルくんの隣にいると、呼吸が自然になる。

それって、恋じゃないなら何なんだろう。

考えれば考えるほど、“好き”の定義が分からなくなる。