入道の上皇様の五十歳の祝賀会は、まず皇子であられる帝がお開きになる。
そのあとの二月に源氏の君はご計画なさっている。
音楽や舞の練習が六条の院でにぎやかに行われている一方で、女三の宮様の琴もなかなかよい具合に仕上がってきた。
源氏の君はおもしろい会を思いつかれる。
「紫の上が『年が明けたら宮様の琴をお聞きしたい』と申しておりましたから、この六条の院の女君たちで音楽会をしてはどうでしょう。名人といわれる貴族たちにも劣らない人ばかりですから、あなたにもよい練習になりますよ。
どのような楽器でも、近ごろの若い人たちは表面的な弾き方を覚えるだけで、深い音色を響かせようと努力しません。琴などは習う人さえいなくなっているようです。現在ではあなたほど習得した人はほとんどおられないでしょうね」
<まぁ、自分ではよく分からないけれど、源氏の君にほめられるほど上達したのだわ>
姫宮様はうれしそうにほほえみなさる。
二十一、二歳であられるけれど、たいそう小柄で、なよなよとおかわいらしいだけでいらっしゃるの。
「入道の上皇様にお会いなさるのは七年ぶりですね。大人になったと思っていただけるように、お振舞いに気をつけてお目にかからなければいけませんよ」
そんなことまで丁寧にお教えになる。
<こういうことをしてくださる夫君がいらっしゃるおかげで、姫宮様の幼いご性格が世間に漏れず、品位を保っておられるのだ>
女房たちは感謝しながら拝見している。
そのあとの二月に源氏の君はご計画なさっている。
音楽や舞の練習が六条の院でにぎやかに行われている一方で、女三の宮様の琴もなかなかよい具合に仕上がってきた。
源氏の君はおもしろい会を思いつかれる。
「紫の上が『年が明けたら宮様の琴をお聞きしたい』と申しておりましたから、この六条の院の女君たちで音楽会をしてはどうでしょう。名人といわれる貴族たちにも劣らない人ばかりですから、あなたにもよい練習になりますよ。
どのような楽器でも、近ごろの若い人たちは表面的な弾き方を覚えるだけで、深い音色を響かせようと努力しません。琴などは習う人さえいなくなっているようです。現在ではあなたほど習得した人はほとんどおられないでしょうね」
<まぁ、自分ではよく分からないけれど、源氏の君にほめられるほど上達したのだわ>
姫宮様はうれしそうにほほえみなさる。
二十一、二歳であられるけれど、たいそう小柄で、なよなよとおかわいらしいだけでいらっしゃるの。
「入道の上皇様にお会いなさるのは七年ぶりですね。大人になったと思っていただけるように、お振舞いに気をつけてお目にかからなければいけませんよ」
そんなことまで丁寧にお教えになる。
<こういうことをしてくださる夫君がいらっしゃるおかげで、姫宮様の幼いご性格が世間に漏れず、品位を保っておられるのだ>
女房たちは感謝しながら拝見している。



