宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

「要芽ー、おっはよ! どうしたの? こんな所で止まって。早く教室行こう?」

 振り返って見えたのは、昨日の朝とは打って変わって元気そうな柚乃。
 その様子を見て、やっぱり呪いは祓った方が良いよねって改めて思う。
 大事な友だちの笑顔を守れたことを喜びながら、私は柚乃に応えた。

「柚乃、おはよー。そうだね、行こっか」
「あっ! 俺も行くよ!」
「僕も途中まで一緒に行こうかな?」

 柚乃と教室に行こうと歩き出したら永遠と澪音くんもついて来る。
 永遠は同じクラスだからいいんだけど、澪音くんまで……。
 まあ、階段のところまでは一緒だけどさ。

『まったく! レインちょーし乗りすぎ!』
『そうだね。いざってときには容赦(ようしゃ)なくひっかいてやるといいよ』

 頭の中に響く声はなんだかちょっと物騒(ぶっそう)で。

(ほどほどにね)

 とだけ伝えておいた。


 四人で歩きながら宝石たちの声を聞いて、なんだか色んな意味でにぎやかになったなぁって思う。

 にぎやかになった周りを見ながら、私は宝物を見つけた気分で笑顔を浮かべた。

END