「文ちゃん、遊びに来たよ!」
「夏樹ちゃん、みんなも! 来てくれてありがとう!」
放送委員の夏樹ちゃんには田部先輩たちが校内放送で宣伝をするのに協力してもらった。放送室を貸してくれて、一緒に宣伝する内容を考えてくれたんだ。
「図書館でお宝探しって面白そうだね! 図書館って静かにしないといけない場所ってイメージだから、こういったイベントって楽しそう」
「景品ってなんだ!? まさか本当にお宝!?」
「ちがうよ。図書館に置いている本に付いていた付録なんだ。たくさんあるから気に入るものがきっとあるかも」
総玖くんが教えてくれたように、図書館には本のおまけとして付いてきた付録がたくさん余っていた。
それをイベントの景品にしたいって話したら、田中さんが学校に許可を取ってくれて、イベントに参加してくれた人にプレゼントできるようになったの。
「それでお宝探しツアーって、何をするの?」
「図書館内の棚にそれぞれ問題文を貼ってあるから、それに答えて文字を集めるの。問題は簡単なものから難しいものまであるよ」
「ヒントはあるの?」
「問題の紙に書いてあるよ。棚にもヒントがあるから探してみてね。全部の問題を解いたら、このカウンターで答え合わせをするよ。全問正解したら景品を一つプレゼント。問題はそれぞれ五問ずつあるよ」
わたしが説明すると、それぞれ簡単な問題と難しい問題を選んでもらって解答用紙を配る。
簡単な問題を選んだ夏樹ちゃんは、解答用紙を受け取るとすぐに読んだのだった。
「えっと……『この問題は三階にあります』って書かれているってことは、三階に行けばいいのかな?」
「うん。問題は全て同じ階にあるから。同じ階の棚をあちこち探してみてね」
「図書委員! わからない時はどうしたらいい?」
手を挙げた男子にわたしは「大丈夫だよ!」と返す。
「ヒントも問題文に書いてあるから、それを読んでみて。どうしてもわからない時は聞きに来て。答え合わせもここでするよ」
そして夏樹ちゃんたちがそれぞれ解答用紙で指定された棚に向かうと、面白そうだと他の学年や高等部の先輩たちも来てくれる。
温品先輩や田部先輩が柔道部の人たちを連れて来てくれて、図書館はこれまで見たことがないくらい人が集まったんだ。
「おっ! いまのヤツはいつもコワーキングスペースで勉強している奴だな。さては賑やかなイベントに釣られてきたな……!」
「おい。こいつは図書館に来るといつも『9類』の本を読んでいる奴だ! 難しい問題を渡して『9類』以外の棚に誘導しろ。他の分類にも興味を持ってもらうようにしろ」
解答用紙を渡してイベントを説明していると、そんな助言を総玖くんがしてくれる。このイベントを発案した時からずっと一人で上手くいくか心配だったけれど、総玖くんや歴彦さんが力を貸してくれて心強かったんだ。
今も歴彦さんが図書館内を見回ってくれて、問題が難しくて困っている参加者がいれば教えてくれるし、総玖くんも解答用紙や景品の残りを数えてくれる。
図書委員のみんなも部活の合間に準備をしてくれて、お宝さがしツアーの受付や答え合わせも交代でしてくれることになった。
わたし一人でお宝さがしツアーの当番をするつもりだったから、図書委員のみんながやってみたいと言ってくれた時は嬉しかったんだ。
お宝さがしツアーの内容についても、図書委員のみんなが意見を言ってくれたから誰もが参加しやすいようにイベントの内容も見直せた。
これでイベントが無事に終わればいい。そう思っていたら、三階が騒がしくなった。
「何があったんだろう……」
「本当だ。様子を見に行っておいで。ここはボクがやるから」
「ありがとうございます。じゃあお願いします」
「行くぞ!」
上野さんのお言葉に甘えて、総玖くんと螺旋階段を昇っていると上からは歴彦さんが慌てた様子で降りてくる。
「ああ。文さん! いそいで三階に来てください!」
「なにがあったんだ? 歴彦」
「三階の問題が破り捨てられていたのです。それに『1類』の棚も本が床に散らかされていて……」
「『1類』? そこは心聖が……わかった。すぐに向かう」
そんなことを話しながら息を切らせて三階まで昇ると、三階の解答用紙を持っていた夏樹ちゃんたち参加者がざわざわと遠くから様子を見ているところだった。わたしが「夏樹ちゃん!」と声を掛けると、夏樹ちゃんがハッとして駆け寄ってきたんだ。
「夏樹ちゃん、みんなも! 来てくれてありがとう!」
放送委員の夏樹ちゃんには田部先輩たちが校内放送で宣伝をするのに協力してもらった。放送室を貸してくれて、一緒に宣伝する内容を考えてくれたんだ。
「図書館でお宝探しって面白そうだね! 図書館って静かにしないといけない場所ってイメージだから、こういったイベントって楽しそう」
「景品ってなんだ!? まさか本当にお宝!?」
「ちがうよ。図書館に置いている本に付いていた付録なんだ。たくさんあるから気に入るものがきっとあるかも」
総玖くんが教えてくれたように、図書館には本のおまけとして付いてきた付録がたくさん余っていた。
それをイベントの景品にしたいって話したら、田中さんが学校に許可を取ってくれて、イベントに参加してくれた人にプレゼントできるようになったの。
「それでお宝探しツアーって、何をするの?」
「図書館内の棚にそれぞれ問題文を貼ってあるから、それに答えて文字を集めるの。問題は簡単なものから難しいものまであるよ」
「ヒントはあるの?」
「問題の紙に書いてあるよ。棚にもヒントがあるから探してみてね。全部の問題を解いたら、このカウンターで答え合わせをするよ。全問正解したら景品を一つプレゼント。問題はそれぞれ五問ずつあるよ」
わたしが説明すると、それぞれ簡単な問題と難しい問題を選んでもらって解答用紙を配る。
簡単な問題を選んだ夏樹ちゃんは、解答用紙を受け取るとすぐに読んだのだった。
「えっと……『この問題は三階にあります』って書かれているってことは、三階に行けばいいのかな?」
「うん。問題は全て同じ階にあるから。同じ階の棚をあちこち探してみてね」
「図書委員! わからない時はどうしたらいい?」
手を挙げた男子にわたしは「大丈夫だよ!」と返す。
「ヒントも問題文に書いてあるから、それを読んでみて。どうしてもわからない時は聞きに来て。答え合わせもここでするよ」
そして夏樹ちゃんたちがそれぞれ解答用紙で指定された棚に向かうと、面白そうだと他の学年や高等部の先輩たちも来てくれる。
温品先輩や田部先輩が柔道部の人たちを連れて来てくれて、図書館はこれまで見たことがないくらい人が集まったんだ。
「おっ! いまのヤツはいつもコワーキングスペースで勉強している奴だな。さては賑やかなイベントに釣られてきたな……!」
「おい。こいつは図書館に来るといつも『9類』の本を読んでいる奴だ! 難しい問題を渡して『9類』以外の棚に誘導しろ。他の分類にも興味を持ってもらうようにしろ」
解答用紙を渡してイベントを説明していると、そんな助言を総玖くんがしてくれる。このイベントを発案した時からずっと一人で上手くいくか心配だったけれど、総玖くんや歴彦さんが力を貸してくれて心強かったんだ。
今も歴彦さんが図書館内を見回ってくれて、問題が難しくて困っている参加者がいれば教えてくれるし、総玖くんも解答用紙や景品の残りを数えてくれる。
図書委員のみんなも部活の合間に準備をしてくれて、お宝さがしツアーの受付や答え合わせも交代でしてくれることになった。
わたし一人でお宝さがしツアーの当番をするつもりだったから、図書委員のみんながやってみたいと言ってくれた時は嬉しかったんだ。
お宝さがしツアーの内容についても、図書委員のみんなが意見を言ってくれたから誰もが参加しやすいようにイベントの内容も見直せた。
これでイベントが無事に終わればいい。そう思っていたら、三階が騒がしくなった。
「何があったんだろう……」
「本当だ。様子を見に行っておいで。ここはボクがやるから」
「ありがとうございます。じゃあお願いします」
「行くぞ!」
上野さんのお言葉に甘えて、総玖くんと螺旋階段を昇っていると上からは歴彦さんが慌てた様子で降りてくる。
「ああ。文さん! いそいで三階に来てください!」
「なにがあったんだ? 歴彦」
「三階の問題が破り捨てられていたのです。それに『1類』の棚も本が床に散らかされていて……」
「『1類』? そこは心聖が……わかった。すぐに向かう」
そんなことを話しながら息を切らせて三階まで昇ると、三階の解答用紙を持っていた夏樹ちゃんたち参加者がざわざわと遠くから様子を見ているところだった。わたしが「夏樹ちゃん!」と声を掛けると、夏樹ちゃんがハッとして駆け寄ってきたんだ。



